乗馬用ブーツは、くるぶしまでのショートブーツと、膝下までのロングブーツに分けられます。
ロングブーツ(長靴)は馴染むと使い心地が良く、試合に出ることができるのはロングブーツだけです。
ショートブーツは汎用性が高く、チャップスを着用して騎乗するのが通常ですが、取り外せば普通の革靴のようにして使えます。
長く続けることを考えるのであれば、断然ロングブーツがおすすめです。
この記事では、ロングブーツについて、価格と使用感を素材別に比較し、おすすめの選び方を解説いたします!
ロングブーツ選びの基準
- 素材で選ぶ
- ファスナーで選ぶ
素材で選ぶ
ロングブーツの素材は主に3つです。
- ゴム(約10,000~20,000円)
- 合皮(約15,000~30,000円)
- 本革(約30,000~200,000円)
ゴム(ラバー)

ゴム製のロングブーツの大きな特徴は防水性です。
騎乗の後、靴を履き替えずに馬の手入れや作業ができるのは非常に便利ですし、突然の雨に対応もできます。
合皮や本革の敵は水ですが、ゴムは防水であるため、劣化しにくく長持ちします。
また、合皮や本革に比べて安価で購入できるのもゴム製を選ぶメリットのひとつです。
しかし、これほどメリットがあるゴム製のロングブーツが主流でないことには、やはり大きな理由があります。
それは、使いにくさです。
ゴムの特性上、いくら使っても変形しないため、自分の脚に馴染むことはありません。
また、足首が固定されているため、自由度が低く、鐙を支点にかかとを上げて拍車を使うことができません。
乗馬を初めたばかりで、長く続けるかわからないという方はゴム製のロングブーツでもよいかもしれませんが、上達を見込むのであれば合皮や本革をおすすめします。
合皮(合成皮革)

合皮のロングブーツの特徴は、自由度の高さです。
ゴムは馴染むことはありませんし、本革は馴染むまでに時間がかかります。
購入してすぐに高いパフォーマンスができるのは合皮を選ぶ大きなメリットです。
また、本革に比べると安価で購入が可能です。
しかし、本革に比べて、馴染む度合いは明らかに劣ります。
本革は使用しているうちに伸びてくるため、少しきついぐらいのサイズで購入すると、使えば使うほど自分の脚の形にフィットします。
それに対し、合皮は基本的に伸びることはありません。
また、合皮の経年劣化は最も大きなデメリットです。
合皮は、ゴムや本革に比べて圧倒的に寿命が短いです。
物にもよりますが、2年使えればよい方と考えてください。
短い期間で上達を見込むのであれば合皮のロングブーツを選ぶことをおすすめします。
本革

やはり、なんといってもおすすめは本革のロングブーツです。
これまでゴムや合皮との比較で挙げてきたように、本革は寿命が長く、馴染むと使い心地が非常に良いです。
デメリットはやはり価格です。
最低でも3万円はしますし、オーダーするのであれば10万円ぐらいはかかってしまいます。
また、長持ちする反面、手入れに時間を要することも、デメリットと言えるかもしれません。
しかし、定期的に手入れをしていれば、何十年と使うことができます。
乗馬は生涯スポーツですので、数十年前に購入したブーツを今でも使用しているという方は多くいらっしゃいます。
本格的に長く続けるのであれば、自分に合った本革のロングブーツを購入してみてはいかがでしょうか。
ファスナーで選ぶ

ロングブーツには、着脱のためにファスナーが付いているものと、付いていないものがあります。
最近ではファスナーが付いているものが多くなってきています。
ファスナー付き
ファスナーが付いているものは、とても履きやすく、フィット感も高いですが、ファスナー部分が壊れることがあります。
修理して交換できるものではありますが、そこにコストと時間がかかるのは言うまでもありません。
ファスナー付きを選ぶ場合、ファスナーの位置も重要です。
最も多いのはふくらはぎ側に付いているタイプで、どんな競技会にも出場することができます。
しかし、前面や側面に付いているものは、競技会規定によっては出場できないもの(特に馬場馬術)もありますので、注意してください。
ファスナーなし
ファスナーが付いていないものは、足が通過できるほどの幅があるため、ファスナー付きほどのフィット感は望めませんが、修理交換のリスクが低く、より長持ちします。
また、ファスナーが付いていないものでしたら、どんな競技会(特に馬場馬術)にでも出場することができます。
そのため、馬場馬術の選手や、ベテランの方に好まれる傾向があります。
ロングブーツの他にも、乗馬に必要な服装と道具はこちらで紹介しています。