乗馬や馬術における姿勢の重要性

姿勢の重要 乗馬



乗馬や馬術における姿勢の重要性

乗馬や馬術において、姿勢は最も重要な要素のひとつです。

馬からすれば騎手の姿勢なんて関係ないのではないか?と思われるかもしれません。

しかし、騎手を運ばれる荷物と考えてみるとどうでしょうか?

荷物としての騎手

荷物

騎手を、馬が運ぶ荷物と考えるのであれば、荷物の重さは体重です。

自分の体重を変えることはできないため、荷物の重さは常に一定です。

しかし、荷物の形状は変えることができます。

騎手が荷物であれば、姿勢は荷物の形状と考えることができます。

そして、騎手の姿勢にはある程度の自由があるため、運びやすい形状になることができます。

運びやすい荷物の形状

では、運びやすい荷物とはどんな形状でしょうか?

ただ持ち運ぶだけでなく、背中で弾ませながら運ぶのです。

まず、前後左右の安定が必要になります。

もちろん騎手のバランス感覚もありますが、前後の安定は鞍が生み出してくれます。

次に左右の安定です。

左右の安定は騎手の両脚が生み出します。

鞍の上であぐらや正座をする線はなくなりました。

両脚も、より深くハマっていた方が安定するため、膝が前に出るのは好ましくありません。

体重はなるべく分散させた方が安定します。

鐙を踏んで、太ももは鞍に接している方が好ましいです。

膝が前に出るのを防ぐために、鐙を利用してかかとを下げるとよいでしょう。

太ももと膝が鞍から離れてしまわないために、つま先は進行方向を向けておきましょう。

このようにして、下半身は理想形に近づきます。

運びやすい荷物の位置

では馬の背中のどこに荷物を置くのがよいでしょうか?

誰かを肩車しているのを想像してみてください。

前や後ろに傾かれるより、なるべく自分の重心の上に重なっていてほしいと感じるはずです。

とりあえず安定だけを考えるのであれば、馬の重心と騎手の重心が重なるべきです。

馬の重心を探すのは難しいですが、鞍が教えてくれます。

正しい位置に鞍を置いたとき、鞍壺の位置が馬の重心です。

そのため、鞍壺にまっすぐ座れば、最も安定する位置に重心を持ってくることができます。

運びやすい荷物の質感

ここまでで、下半身の形と重心の位置は定まりました。

しかし、上半身の形が定まっていません。

下半身を荷物の形状とするのであれば、上半身は荷物の質感と言えます。

運びやすい荷物の質感とはどのようなものでしょうか?

液体は運べませんし、スライムも不安定で運びにくいです。

このことから、ある程度は硬くないといけません。

金属のように硬い荷物はどうでしょうか?

背中の上で弾むのですから、たまったものじゃありません。

硬ければよいというわけではないのです。

理想はゴムあたりでしょうか。

スライムほど柔らかくなりすぎず、ゴムのような弾力が上半身には必要です。

人間の背骨には、S字の湾曲や椎間板の存在によりクッション機能が備わっているため、上半身をまっすぐにしておけば、ある程度の弾力は生まれます。

むしろ、曲がっていると柔らかすぎてしまいますので、まっすぐで脱力した状態が理想と言えるでしょう。

腰骨(座骨)を立て、背骨をまっすぐにします。

頭の重さも背骨の上に位置させるべきですので、少しあごを引いて前を向くべきです。

肩が前に出てしまうと、背中が曲がってしまうので、少し胸を張って、肩を引きましょう。

このようにして、上半身が理想形に近づきます。

もちろん、常に一定の質感でいるべきではなく、状況に応じて柔らかくなったり硬くなったりするべきですが、とりあえずこの姿勢が「馬が運びやすい形状と位置と質感」です。

いかがでしょうか?

【乗馬の姿勢】正しい姿勢のつくりかた」で解説した姿勢にかなり近くなったのではないでしょうか?

このように、運ばれる荷物という視点だけでもかなり理想形に近づくことができます。

指揮官としての騎手

リーダー

騎手は馬にとっての荷物であると言いましたが、同時に指示を出す指揮官でもあります。

指揮官として、馬に指示を伝え、実行させなければなりません。

そのために、まず指示が明確であること、そして馬が指示に耳を傾けていることが必要です。

この2つをこなすためには、姿勢が重要なのです。

明確な指示を出すために、体の自由と安定が求められます。

馬が指示に耳を傾けるためには、馬の精神面が重要です。

荷物としての側面と似た話になりますが、馬が苦しいと感じている状態であれば、騎手の指示に従うはずがありません。

このように、荷物としてだけでなく、指揮官としても姿勢が関わってくるのです。

まとめ

いかがだったでしょうか?

自分の体重を変えることができない以上、姿勢を工夫しなければなりません。

騎手は荷物であり指揮官です。

良き荷物であるためにも、良き指揮官であるためにも、姿勢は常に意識し続けなければなりません。

今一度、ご自身の騎乗姿勢を見直してみてはいかがでしょうか?